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志賀高原ユネスコエコパーク

生物圏保存地域(ユネスコエコパーク、BR:Biosphere Reserve)は

1971年に開始された、人間と生物圏(MAB:Man and the Biosphere)計画の枠組みに基づく

ユネスコによって国際的に認定された地域です。
志賀高原ユネスコエコパークは、1980年に承認された日本で最初のユネスコエコパークのひとつです。

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自然を感じ、学び、活かし
その暮らしを次世代へ

特徴と取り組み

豊かな自然環境は、私たちに様々な「自然の恵み」をもたらしています。

また、先人たちが培ってきた独特の文化は「人の恵み」として私たちの生活に今なお活かされています。
志賀高原ユネスコエコパークの「自然の恵み」と「人の恵み」は地域の大切な資源であり

受け継いだ「遺産」となっています。

これらを守り伝え、賢く使い、地域の持続可能な発展を目指すためにも

これを担う人材の育成として「学び」の取り組みを進めていきます。

志賀高原はフォッサ・マグナ上に位置し、志賀山・草津白根山など複数の火山が密集した火山帯の外壁に囲まれた

大きなすり鉢状の内側に位置する高原で、大小70余りもの池沼や湿原が多数存在する複数水系の水源地帯となっています。
ブナやミズナラなどの温帯の落葉広葉樹林、コメツガやシラビソなどの亜高山帯の針葉樹林が生育し

森林内には湿原が散在するなか湿原特有の植物も生育しています。

また亜高山帯の針葉樹林の一部には原生林も残されています。

こうした植生は、多様な動物種の生育にも影響を与え

ニホンザル、ヤマネ、オコジョなどの希少動物や、イヌワシ、ヒガラ、ルリビタキなどの鳥類も生息しています。

緩衝地域及び移行地域の山林の一部は、地元集落の伝統的な共有地であり

中世以前より資源を採り尽くさないよう共同で管理し、集落の入会慣行により野草の採取や樹木の伐採など持続的に利用されています。

また、河川の漁業権は地元住民による漁業協同組合にあり

雑魚川に生息するイワナ在来個体群は漁協の管理により適正な資源利用がされています。

こうした地元住民団体による共同管理は、乱開発や水利権の乱用を防ぎ

志賀高原ユネスコエコパークの山を守る役割を果たしています。

ユネスコエコパークからの自然の恵みは私たちの暮らしに深く関わっています。
草津白根山などの山々からの「火山熱」は温泉などの観光資源として利用され広く親しまれているほか

SDGsの理念を活かした取り組みとして温泉熱や暖房や道路融雪に活用しています。
志賀高原では四季折々の自然環境を体験できるツアーの実施(トレッキングツアー)や自然に触れるだけにとどまらず

環境の保全・共生について理解を深めることを目指して環境学習プログラムを行っています。

自然と人間社会の調和の実現に向けて歌舞伎俳優・市川海老蔵さんからの提案を受け

閉鎖されたスキー場を自然豊かな森に戻す植樹活動(ABMORI)や

ボランティア団体・スキー部の子どもたちなどによる湿原再生に向けた外来植物除去活動など行い

自然環境への負荷を極力少なくする取り組みを推進し自然との共存を目指しています。

志賀高原の樹木やネマガリダケなどの「山の資源」を利用して、炭焼き、竹細工、白箸づくり、ろくろ細工などが行われてきました。

材料となる樹木の伐り出しを制限するなど、人々は江戸時代から山の恵みを利用するとともに自然を大切にしてきました。

志賀高原ユネスコエコパークの大自然にろ過されて、ミネラル豊富な雪解け水は

田畑に流れ込み味わい深いみずみずしい農作物を育てています。
また、生活するうえでも欠かせない「水」は、先人たちが原野開拓・堰の開削、引水後の堰の管理など

多大な努力の賜物であり当たり前にあるものではないのです。

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